ランディングページとは

ランディングページとは、Webサイトにおいて利用者が最初に訪れたページを指す言葉です。サイトを構成するすべてのページがランディングページになりますが、本書では広告などで集客した人が最初に訪れるページを特にランディングページと呼び、そのランディングページでより高い効果を上げる方法を解説します。

ランディングページの構造

Web広告は、広告を見せる訪問者の属性を絞ったり、表示する文言を変えたりできるので、ランディングページに来た時点で、訪問者の属性や目的はかなり絞り込まれています。訪問者に最適化し、より効率的に目的のアクションに結びつけるための構造とはどのようなものでしょうか。

「袋小路」で完全な情報を提供する

Webサイトの利用者は、ページ間を移動するたびに一定割合でサイトを離れてしまいます。そのため、ページからの離脱をもっとも少なくし、アクションまでロスなく誘導するためには、ページ間の移動をなくす必要があります。ターゲットに合わせて、より絞り込まれたページを作成し、移動をゼロにできればもっとも効率は上がります。

ランディングページは購入や申し込みなど、こちらの目的を行わせるために必要な情報を過不足なく提供し、ほかのコンテンツへのリンクはなくし、ページを移動できなくします。ランディングページに来た人は、その中だけでしっかりとアクションするか否かの判断ができるようにするとともに、出口は申し込みなどのアクションをするか戻るボタンを押すかのどちらかのみの構造にし、訪問者の流出を極力防ぐのです。

ランディングページを作成時のポイント

ランディングページは深夜のテレビショッピング

ランディングページには、アクションにつなげるために必ず入れるべき要素があります。誰もが深夜に1度は見たことがある、テレビショッピングを例に見てみましょう。

まず外国人の女性が出てきてこういいます。

リサ「ボブ、私最近おなかが出てきてしまって困っているのよ…。」

ボブ「大丈夫!スーパー腹筋○○があるから!」

これは起承転結の「起」で、問題の提起とその解決策としての商品紹介をします。「起」を受け、三段腹仲間のメアリーがなんと割れた腹筋で登場です。

 

ボブ「ほら、隣のメアリーもこれで今じゃモテモテさ!」

メアリー「そうよ、家事の合間にテレビを見ながらやるだけなのよ。」

これが商品の紹介を受け、裏づけとして利用者の声や効果、効能の詳細説明をする「承」です。「承」で期待感をあおるだけあおったら、お決まりの文句です。

 

リサ「そんなに良かったら、きっと高いんでしょう??」ボブ「いえいえ、なんと○○円!!」

これが「転」です。ここでできるだけ安くお得に感じさせ、買いたい気持ちにさせます。そして最後に購入の後押しとして、特典の話を出します。

 

ボブ「今なら、大人気のスーパー△△もついてくるんだよ!」リサ「それだったら今が買い時ね!!」

これが「結」で、最後の後押しをして購入に誘導します。多くのテレビショッピングがこの流れをとっているのは、もっとも効果があるからです。

ランディングページの構成

ランディングページも、テレビショッピングと同じ構成になります。まず問題提起として、おなかが出てしまった人の画像やスリムに痩せた理想体型の人の画像、そして「もう失敗しない、ダイエットマシーンの決定版登場!!」などのキャッチコピーを表示します。これは起承転結の「起」にあたります。この「起」と次の「承」の一部までがファーストビューになるので、しっかりと読み手の興味をひき、それ以降を読む気にさせることが大切です。

次は「承」で「起」の裏づけです。ここでは商品の特徴を3つのポイントとして提示します。例えば「NASAが開発」「ハリウッドでも人気」「驚きの効果」など、ターゲットにもっとも刺さると思われる3つのポイントを挙げます。提示した3つのアピールポイントに対応した形で利用者のコメントを提示できれば、その効果はより大きくなります。ここで、「効果、効能」の詳細説明やQ&Aを紹介し、不安の解消や買わない理由の否定も行い、読み手の期待感をあおります。

期待感が最高潮に達したところで、価格や条件を提示する「転」です。他社と比較したり、1日当たりコーヒー1杯分などと日割りにしたりして、お得感を演出します。

最後は、購入の後押しとしてキャンペーンの情報などを入れます。「今なら20%OFF」や「全額返金保証有」など、まだ迷っている人を購入に後押しして終わります。これが起承転結の「結」です。

作成方法はほかのページとまったく同じ

ランディングページも作成方法は変わりません。第2章から第4章解説した方法で、紹介する商品やサービスの特性に合わせて最適なストーリーを選び、作成します

例えば、大企業なら常識から入る方法で「一般論から各論」か「比較列挙」のストーリーで作成します。一方中小企業なら、「常識とは反対」から入り、「各論から一般論」か「比較列挙」のストーリーを採用します。

ランディングページのもう1つの型

ここまで解説してきたように、ランディングページは起承転結の型に沿いながら、それぞれにおいて決まった要素を決まった配置に入れて作成する方法が一般的です。しかし、ランディングページにはもう1つ代表的な型があります。それは情報商材等でよく使われる物語型です

商品開発の苦労や業界を変えたいという想い、そしてこれだけで儲かるというお得情報などから入り、長い物語を読ませるような形で進んで行く型です。もちろんこの型も、これまで解説してきたランディングの方法論を利用して作成できるので、しっかりと方法論に沿って作成しましょう。

ランディングページは袋小路で完全な情報を与える

絞り込まれたターゲットが訪れるランディングページでは、完全な情報を記載し構造を袋小路にすることで、訪問者の流出を最小に抑えましょう。その際のランディングページの構成は深夜のテレビショッピングと同じです。
起:問題と解決策の提示(キャッチコピー/商品イメージ)
承:買わない理由の否定(3つのアピールポイント/お客様の声)
転:価格や条件の提示(価格/条件)
結:今買う動機づけ(キャンペーン)