文章が読みやすくするポイント
本書ではスキルや経験には左右されない、意識すれば誰でもできる文章を読みやすくするポイントを紹介します。
1文の長さは40~60文字以内
まず、下の文を見て下さい。
日本語は、接続詞や接続助詞を利用するとどこまでも文が長くなるため、このように長々と続く文をよく見かけます。上の文なら、以下のように適度に区切るだけで、読みやすく、結論もわかりやすくなります。
長く続く文は読みにくいので、できるだけ短く簡潔な文を書くようにしましょう。その際の目安として、1つの文の長さは40~60文字以内にすることに注意してください。
パラグラフ(段落)は5行以内にまとめる
パラグラフ(段落)が長い文章は非常に読みにくいです。あまり活字が続くとどこを読んでいるのかもわからなくなってしまうので、1つのパラグラフは5行以内が適切です。また、文章の内容を正確に伝えるために、意図的に改行を加え、メリハリのある文章にすることも大切です。
文章が長くなる場合は結論を先に伝える
Webコンテンツはなかなか最後まで読んでもらえないので、長い文章では結論を先に伝えるようにしましょう。ただし、「結論→理由」構造は欧米の文章構造のため、日本人は結論を押し付けられている印象を受けがちです。なじみのある「理由→結論(原因→結果)」のほうが納得しやすいので、場合によって判断しましょう。
重要なことは目立たせる
訪問者に伝えたいことや文章の結論など重要なことは、文字の色や太さを変えたり、表題として最初に置いたりして目立たせます。こちらの意図が伝わりやすくなり、利用者もポイントを正確に把握できるので読みやすくなります。
実践:読みやすい文章にする
A不動産の誘導文
新生活を快適に過ごすには、生活の基盤となる部屋選びは非常に重要です。
毎日の通勤や通学を考えると駅から近いことも重要ですし、バストイレも外せません。夏や冬のことを考えたら、エアコンも欲しいですし、車があれば駐車場も欲しいです。ペットを飼っている人は、ペットが飼うことができることも必須です。
では、快適な生活を送るために最も重要な、絶対外せない条件は何なのでしょうか?
駐車場は別に借りれば良いですし、バストイレも銭湯や共同のものを使うのも趣があって…なんて思えるかもしれませんし、エアコンは買い足せますが、騒音からは逃げられません。唯一のプライベート空間で、日頃の疲れを癒し快適な暮らしを送るためには、静かなことが最も大事な条件ではないでしょうか。(322文字)
まず、次の文は長いので1文当たり40~60文字以内になるよう短く切ります。
駐車場は別に借りれば良いですし、バストイレも銭湯や共同のものを使うのも趣があって…なんて思えるかもしれませんし、エアコンは買い足せますが、騒音からは逃げられません。
駐車場やエアコンなら、自分で用意できます。バストイレなら銭湯や共同のものを使えますし、趣を感じる人もいるでしょう。しかし、騒音からは逃げられませんし趣を感じる人もいないでしょう。
A不動産の誘導文に5行以上のパラグラフはないので、パラグラフの調整はいりません。しかし、「結」のパートは少々長いので、結論を明確にするために以下の一文を追加し、目立たせるために改行も入れます。
それは「静か」に生活することができることではないでしょうか。
加えて、この文章の結論である「騒音」に関係している「静か」という言葉を、より目立つように「」でくくることにします。これらを反映すると、以下のようになります。
新生活を快適に過ごすには、生活の基盤となる部屋選びは非常に重要です。
毎日の通勤や通学を考えると駅から近いことも重要ですし、バストイレも外せません。夏や冬のことを考えたら、エアコンも欲しいですし、車があれば駐車場も欲しいです。ペットを飼っている人は、ペットが飼うことができることも必須です。
では、快適な生活を送るために最も重要な、絶対外せない条件は何なのでしょうか?
それは「静か」に生活することができることではないでしょうか。
駐車場やエアコンなら、自分で用意できます。バストイレなら銭湯や共同のものを使えますし、趣を感じる人もいるでしょう。しかし、騒音からは逃げられませんし趣を感じる人もいないでしょう。唯一のプライベート空間で、日頃の疲れを癒し快適な暮らしを送るためには、「静か」なことが最も大事な条件ではないでしょうか。(361文字)
B不動産の誘導文
まず、長い文を適度な長さに調整する作業から始めます。特にそこまで長い文はありませんが、以下の文は少々長いので、2つの文に分けます。(Section 27参照)。
かつては、1度住むと数年は住み続ける人が多かったのですが、様々なサービスの登場で引越しも楽に出来、更新料を考えると、敷金礼金の無い物件に引っ越せば、得な場合もあるのです。
かつては、引越の手間やコストから、1度住むと数年は住み続ける人が大半でした。しかし、様々なサービスの登場で引越しも楽になり、……
「承」にあたる第2パラグラフが少々長めですが、こちらは「起」を受けてのつなぎの文章で、特に結論をいいたい文章ではないので、結論を前に持ってくる必要はないでしょう。こちらも文章の結論である「騒音」に関しては、より目立つように「」でくくっておきましょう。これらを反映すると、以下のようになります。
実は最近、1、2年で引越しを繰り返し、様々な街で暮らすことを楽しむ人が増えているのを知っていますか?
かつては、引越の手間やコストから、1度住むと数年は住み続ける人が大半でした。
しかし、様々なサービスの登場で引越しも楽になり、また、敷金礼金が無い物件も多くなったので、引っ越した方が得な場合もあるのです。だから、駅や街を見て、気に入ったらあまり部屋の条件にはこだわらず、気楽に引っ越してみる、そんな人が増えているのかもしれません。
しかし、最低限おさえておかないと後悔する条件もあるので注意が必要です。
Yahoo!知恵袋に絶対に譲れないお部屋探しの条件という質問があり、その回答を見てみると、その中で1番は「騒音」でした。「騒音」は日々の生活で大きなストレスになるので、それだけはおさえておきましょう。(348文字)
読みやすくSEO対策を効かせる編集作業
文章を読みやすくするために、「文の長さの調整」「パラグラフの調整」「長い文では結論が先」「重要事項の協調」の5点を行いましょう。