キーワードの適正出現率

私は写真撮影を趣味としていますが、スーツ姿でWebの話をしているときは写真に詳しいとは思われません。カメラを首から下げ、三脚を担ぎ、撮影方法を語っている姿を見て、周りの人は私の趣味が写真撮影であることを知ります。
同様に、検索エンジンも「不動産」や「物件」などの語句がタイトルやコンテンツ内に使われているとき、「不動産」に関連したコンテンツと判断します。テーマを検索エンジンに伝えるには、テーマに関連した語句を明記する必要があるのです

テーマの判定基準、出現率

検索エンジンは、出現率の高い語句を対象コンテンツのテーマと判断します。例えば「写真撮影」の話をするときに、「Web」や「SEO対策」、「ライティング」などの語句を使うのは困難ですが、「カメラ」や「三脚」といった語句はよく使います。このように、何か話したり何か書いたりするとき、テーマに関連する語句は自然と多く使われるものです。このことをふまえ、検索エンジンはコンテンツに含まれている語句の中で、より多く使われる語句を、テーマを表す語句と判断します

検索エンジンは、使われている語句から、対象コンテンツの内容を判断します。

キーワードの適正出現率

初期のSEO対策では、背景色と同色の文字や画面に表示されない文字を使って、対策したいキーワードの出現率を操作する対策が行われました。そのため、現在は特定のキーワードが多すぎると、検索エンジンをだます行為と判断されペナルティを受け、表示順位が下がります。つまり、対策キーワードは入れすぎても入れなさすぎてもダメなのです

本質から考えると、SEO対策を意識せず、テーマに沿って自然に書いた文章の語句の出現率こそ、ペナルティを受けずに高い効果が発揮される出現率になるのですが、実際には意識しないとなかなかうまくいきません。まずは、以下の表を基準に出現率を調整しましょう。

独自の調査では、出現率が3%をきるとSEO対策の効果は弱くなり、8%を超え9%に近づくとペナルティを受ける危険性が高まりました。ペナルティを確実に避け、効果をしっかり発揮するために、対策キーワードの出現率は3%以上・7%以下が適正値になります

複数のキーワードを対策する場合、出現率をすべて7%にしようとすると、対策するキーワードが3つなら文章中の21%をキーワードにしなくてはならず、文章が書けません。複数キーワードの対策では、優先度に従って出現率に差をつけることで、高い成果を発揮する自然な文章を作成するのです。

実践:キーワードの反映

実際にこれまで作成してきた文章に、キーワードを反映する作業を行ってみましょう。しかし、文章の語句を1語ずつ数え、出現率を確認し調整するのは大変で非効率的です。ここでは出現率をチェックできる無料ツール「ファンキーレイティング[FunkeyRating]」を利用して、効率的に作業をしましょう(Sec.72参照)。

対策キーワードは、完全一致と不完全一致の両方の例を作成できるように、「部屋探し」を分割し、「一人暮らし」「部屋」「探し」の3つとしますSec.16参照)。出現率の目標値は、編集の最後に「見出し」を追加する際にもキーワードが追加されることをふまえ、それぞれ少なめの5%、4%、3%に設定します。

A不動産の誘導文

キーワードをいくつ増やせば(減らせば)目標の出現率になるかチェックします。

①P.228手順①〜②を参考に「一人暮らし」「部屋」「探し」のキーワードを入力したら、目標出現率を5%、4%、3%に設定し、<チェック>をクリックします。

チェック結果を確認すると、それぞれ以下の個数分不足していました。

  • 「一人暮らし」→5個
  • 「部屋」→3個
  • 「探し」→3個

それでは、実際にキーワードを反映するために、もとの文章を確認し、まずは置き換えが可能に思われる部分を探しましょう

新生活を快適に過ごすには、生活の基盤となる部屋選びは非常に重要です。

毎日の通勤や通学を考えると駅から近いことも重要ですし、バストイレも外せません。夏や冬のことを考えたら、エアコンも欲しいですし、車があれば駐車場も欲しいです。ペットを飼っている人は、ペットが飼うことができることも必須です。

では、快適な生活を送るために最も重要な、絶対外せない条件は何なのでしょうか?

それは「静か」に生活することができることではないでしょうか。

駐車場やエアコンなら、自分で用意できます。バストイレなら銭湯や共同のものを使えますし、趣を感じる人もいるでしょう。しかし、騒音からは逃げられませんし趣を感じる人もいないでしょう。唯一のプライベート空間で、日頃の疲れを癒し快適な暮らしを送るためには、「静か」なことが最も大事な条件ではないでしょうか。(361文字)

選択した語句をすべて置きかえても、どのキーワードも目標に達しないため、置き換えだけではなく追加もします

快適に一人暮らしするためには、生活の基盤となる部屋探しは非常に重要です。

毎日の通勤や通学を考えると駅から近いことも重要ですし、部屋にバスやトイレがあることも外せません。夏や冬のことを考えたら、エアコンも欲しいですし、車があれば駐車場も欲しいです。ペットを飼っている人は、ペットが飼うことができることも必須です。

では、快適に一人暮らしができる最も重要な、絶対外せないお部屋探しの条件は何なのでしょうか?それは「静か」に一人暮らしすることができることではないでしょうか。

駐車場やエアコンなら、自分で用意できます。バスやトイレなら銭湯や共同のものを使えますし、一人暮らしの趣を感じる人もいるでしょう。しかし、騒音からは逃げられませんし趣を感じる人もいないでしょう。唯一のプライベート空間で、日頃の疲れを癒し快適に一人暮らしをするためには、「静か」なことが部屋探しの最も大事な条件ではないでしょうか。(396文字)

「ファンキーレイティング」でチェックをすると、それぞれのキーワードの出現率が目標値になったことが確認できます。

できた文章では、「一人暮らし」がかなりしつこく感じますが、これでも5%です。特定の語句が8%や9%も出現したら、違反の判定を受けるのも納得できるでしょう。

また、今作成している文章は、メニューやコンテンツ一覧などの共通領域が加えられ、Webページとして公開されます。キーワード出現率はページごとに異なるメイン領域が大切になりますが、共通領域にも対策キーワードが入る可能性もあるので、出現率は少なめにして作成し、公開後にWebページ全体を見て調整しましょう

B不動産の誘導文

B不動産の誘導文についても、同様の作業をしましょう。P.100と同様の手順で、ファンキーレイティングに「一人暮らし」「部屋」「探し」の目標出現率を5%、4%、3%に設定します。チェック結果から、不足数を確認したら、置き換え可能な箇所を探します

  • 「一人暮らし」→5個
  • 「部屋」→2個
  • 「探し」→2個

以上の個数分不足していました。もとの文章を確認しましょう。

実は最近、1、2年で引越しを繰り返し、様々な街で暮らすことを楽しむ人が増えているのを知っていますか?

かつては、引越の手間やコストから、1度住むと数年は住み続ける人が大半でした。しかし、様々なサービスの登場で引越しも楽になり、また、敷金礼金が無い物件も多くなったので、引っ越した方が得な場合もあるのです。だから、駅や街を見て気に入ったらあまり部屋の条件にはこだわらず、気楽に引っ越してみる、そんな人が増えているのかもしれません。

しかし、最低限おさえておかないと後悔する条件もあるの注意が必要です。

Yahoo!知恵袋に絶対に譲れないお部屋探しの条件という質問があり、その回答を見てみると、その中で1番は「騒音」でした。「騒音」は日々の生活で大きなストレスになるので、それだけはおさえてきましょう。(348文字)

選択した語句をすべて置き換えると、それぞれのキーワードが右ページに記載した個数追加できます。どのキーワードも目標値に届かないので、A不動産と同様、追加作業をします

  • 「一人暮らし」→1個
  • 「部屋」→1個
  • 「探し」→1個

実は最近、1、2年で引越しを繰り返し、様々な街で一人暮らしを楽しむ人が増えているのを知っていますか?

かつては、引越の手間やコストから、一人暮らしでも1度住むと数年は住み続ける人が大半でした。しかし、様々なサービスの登場で引越しも楽になり、また、敷金礼金が無い部屋も多くなったので、荷物も少ない一人暮らしなら引っ越した方が得な場合もあるのです。だから、駅や街を重視して探し気に入ったらあまり部屋の条件にはこだわらず、気楽に引っ越してみる、そんな人が増えているのかもしれません。

しかし、最低限おさえておかないと後悔する条件もあるので、街を重視して一人暮らしの部屋探しをする際にも注意が必要です。
Yahoo!知恵袋に絶対に譲れないお部屋探しの条件という質問があり、その回答を見てみると、その中で1番は「騒音」でした。「騒音」は日々の生活で大きなストレスになるので、快適な一人暮らしのために必ずおさえてきましょう。(404文字)

キーワードの追加に伴い、文章量が404文字と目標の300~400文字の間を出てしまいましたが、4文字程度と次の「ムダを省く」作業で調整できそうなので、ここで調整はしません。また、2番目のパラグラフでは「部屋探し」を分割し、「部屋」と「探し」をそれぞれ反映する不完全一致の反映をしてみました。SEO効果は下がりますが、無理して「部屋探し」と反映するより、自然な文章が作りやすくなります。

検索エンジンは文脈の流れを把握し、言い換えなどもしっかり把握する方向に向かっていますが、送り仮名やスペースの入れる位置の違いですら、検索結果に影響が出るのが現状です。ですから、実践では少々読みにくくなってもキーワードを厳密にそのまま入れ、「一人で暮らす」や「探す」などと形を変えないようにしました。

キーワードの入れすぎにご用心

キーワードは、強化したい順に従って、コンテンツ中に入れる量も調整します。ただし、どんなに強化したくても出現率が7%を超えないように注意しましょう。