Webサイトの成果を決める改善作業

トヨタは「カイゼン」で世界のトップまで上り詰めました。最初のものが最高のものになることは稀です。Webコンテンツも同じく、スタートしてからが本番です。ターゲットの利用状況を確認し、その結果にもとづき改善作業を行うことで、より大きな成果が出るようになります

WebコンテンツのPDCAサイクル

Webコンテンツの改善においても、通常の生産管理や品質管理で使われる「PDCAサイクル」を繰り返します。PDCAサイクルの「A」は、通常「処置・改善(Act)」とされますが、これでは「計画(Plan)」「実施・実行(Do)」と被ってしまい、同一対象の改善サイクルにはならないため、本書では「A」は「分析(Analyze)」とします。

計画(Plan):企画におけるテーマ選定とトピックスの確認、あらすじの作成

実行(Do):執筆、編集、校正によりコンテンツを作成し、公開する

確認(Check):ターゲットの利用状況のデータを収集する

分析(Analyze):データを分析し問題点を突き止め、改善するために計画に戻る

Webコンテンツの確認と分析

Webコンテンツの改善作業について、本書では「確認(Check)」と「分析(Analyze)」の方法を解説します。その結果を受け、第2章と第3章で学んだ方法で、「計画(Plan)」と「実行(Do)」を行えば、PDCAサイクルが回ることになります。

確認(Check):利用状況データの収集

Webでは、「何時、何処に、誰が、どのように訪問し、どのような利用をしたか」を簡単にデータで知ることができます。そして、この種々のデータを収集する際に利用するのが、アクセス解析ツールです。

現在、アクセス解析ツールはさまざまなツールが出ていますが、本書では、世界最大の検索エンジンであるGoogleが提供する、無料で使用でき、得られるデータも豊富で精度が高い、Googleアナリティクスを利用する方法を紹介します。

分析(Analyze):データの分析と問題点の推定

「確認」によって収集したデータを利用して問題点をあぶり出し、改善ポイントを突き止め計画につなげるのが「分析」です

本書では、アクセス解析で最初にチェックすべき6種類のデータを紹介し、それによってわかる問題点を確認します。そして、その問題点から推定される改善ポイントを解説し、初めての方でもアクセス解析を利用したPDCAサイクルを回せるようにします。

Googleが提供する無料アクセス解析ツール、Googleアナリティクスのサマリ画面。Webコンテンツへの訪問者が利用している環境やその特性などを、簡単に調査できます。

感覚ではなく数値にもとづき改善する

Webは詳細なデータを低コストで収集でき、その分析も簡単にできます。Webの特徴を生かし、改善作業も、感覚ではなく収集したデータにもとづいて行うようにしましょう。