テーマの将来性をチェックする

テーマを選定する際にチェックしておきたいのが、そのテーマの将来性です。キーワードプランナーの検索件数から現在のニーズは確認できますが、将来のニーズはわかりません。その確認には、Googleが提供する「Googleトレンド」を利用します。

Googleトレンドは、指定したキーワードのGoogleにおける2004年以降の検索件数の推移と、それから予測される1年先までの予測検索数をグラフで確認できるツールです。過去からの検索数の推移と将来の予測から、候補としているテーマにこの先もニーズがあり続けるのか否かを確認します。

将来性のチェック

Googleトレンドはキーワードプランナーと違い、登録などをしないでもそのまま無料で利用できます。検索状況が地域別にどのようになっているか、関連するキーワードの中で検索数の多いワードなども確認できるので、必要に応じてそれらのデータも参考にしましょう(Sec.71参照)。

①ブラウザからGoogleトレンド(http://www.google.co.jp/trends/)にアクセスし、画面上部にある検索ボックスにキーワード候補を入力し、Enterを押します。

②対象キーワードの過去の検索件数の推移を示すグラフが表示されます。グラフ右上に表示される「予測」のチェックボックスにチェックを付けると、検索件数の予測が1年先まで表示されます。

グラフは以下の4つのタイプに分かれます。この4タイプの中で、選んだキーワードが「右肩下がり」か「急増タイプ」の場合は、少し注意が必要です

右肩上がり:将来性が高く、ニーズが高くなる可能性があるテーマ

水平タイプ:安定しており、普遍的なニーズがあるテーマ

右肩下がり:将来性が低く、ニーズが低くなる可能性があるテーマ

急増タイプ:急に注目されたか新しい分野のテーマで、将来性は未知数

右肩下がりのときは、その下がる率に注目し、下がる率が高いときは避けたほうが良いでしょう。また、急増タイプはこれからの分野なので、伸るか反るかのギャンブル的な要素が多分にあります(MEMO参照)。ほかのコンテンツをしっかり作成した上で作成するのは構いませんが、急増タイプのコンテンツばかり作成すると、成果がなかなか安定せず、苦労することになります。

急増タイプの場合は見極めが重要

右は「ウォーターサーバー」(青いグラフ)と「ヨウ素剤」(グレーのグラフ)の検索件数の推移です。どちらも2011年3月に起きた東日本大震災で注目されたキーワードですが、その後の推移はまったく異なることがわかります。このように急増タイプは、その後も一定以上のニーズを保ち効果を持続するものとまったくニーズがなくなるものがあるので、かなりギャンブル的要素が大きく、見極めが重要です。

実践:将来性をチェックする

Googleトレンドを利用して、現在テーマの候補となっている「不動産」「中古マンション」「一人暮らし」の将来性をチェックしてみましょう。

①Googleトレンドにアクセスし、検索ボックスに「不動産」と入力したら、Enterを押します。表示された検索数の推移を見ると、「不動産」というテーマは「右肩下がり」のタイプで将来性には不安があります。

関連する人気キーワードもチェック

Googleトレンドでは、調べたキーワードに関連するキーワードの中で、検索件数の多いキーワードも教えてくれます。画面下方の「関連キーワード」の「キーワード」の項を確認しましょう。
「一人暮らし」では、「一人暮らし費用」「一人暮らしインテリア」「一人暮らし部屋」などの検索件数が多いことがわかります。テーマを決めたら、そのテーマで書く内容を決める際の参考にしましょう。

②P.52手順①を参考に「中古マンション」というキーワードを検索します。検索結果を確認すると、「中古マンション」というテーマは「水平タイプ」で、将来的にも同様のニーズが見込まれます。

③P.52手順①を参考に「一人暮らし」を検索してチェックします。「一人暮らし」というテーマは「右肩上がり」のタイプで、高い将来性を見込めることがわかります。

キーワードプランナーの検索件数がもっとも多いのは「不動産」ですが、将来性に不安があり、また、コンテンツを作成する際の具体的なイメージがしにくいので、今回は候補から外します。
残った2つの候補、「中古マンション」と「一人暮らし」では、「中古マンション」も悪くはありませんが、グラフが右肩上がりタイプの「一人暮らし」のほうが将来性があります。また、「一人暮らし」のグラフには毎年3月に定期的な大きな山があるので、予想通り新生活に向けて新たに物件を探している人が多いこともわかり、ターゲットも明確でコンテンツも作成しやすそうです。この将来性とターゲットの明確さから、今回のテーマは「一人暮らし」に決めます

テーマは将来性も大事

作成したコンテンツが効果を発揮していくためには、将来性のチェックも大切です。現時点でニーズがあっても、すぐにニーズがなくなってしまう可能性もあるので注意しましょう。