文章量の調整法

文章量を調整する際には、話の流れをいじってはいけません。あらすじの一部を削ったり、不要なストーリーを追加したりしてしまうと、伝えたいことが伝わらなくなってしまいます。文章量の調整は、話の流れを変えることのない具体例や引用文を追加したり、削除したりして行ないます

  • 文章量を増やす→具体例や引用文を追加する
  • 文章量を減らす→具体例や引用文を削除する

実践:文章量の調整

第2章で作成した原案を使い、文章量を調整する作業を行ってみましょう。今回調整する目標の文字数は、300文字~400文字の間になります。

A不動産の誘導文

新生活を快適に過ごすには、生活の基盤となる部屋選びは非常に重要です。毎日の通勤や通学を考えると駅から近いことも重要ですし、バストイレも外せません。車があれば駐車場も欲しいです。ペットを飼っている人は、ペットが飼うことができることも必須です。

では、快適な生活を送るために最も重要な、絶対外せない条件は何なのでしょうか?

駐車場は別に借りれば良いですし、バストイレも銭湯や共同のものを使うのも趣があって…なんて思えるかもしれませんが、騒音からは逃げられません。唯一のプライベート空間で、日頃の疲れを癒し快適な暮らしを送るためには、静かなことが最も大事な条件ではないでしょうか。(285文字)

A不動産は、現在285文字しかなく文字数が足りないので、具体例を追加して文字数を増やします。情報源としては、第2章の企画時に利用したYahoo!知恵袋の「絶対に譲れないお部屋探しの条件」を参考にします

3つ目の回答に「エアコン完備」が挙げられています。現在利用している具体例の「駐車場」や「バストイレ」と同様に、あとから追加でき、話の流れを変える心配もなさそうなので、この「エアコン」を具体例として追加しましょう。

新生活を快適に過ごすには、生活の基盤となる部屋選びは非常に重要です。

毎日の通勤や通学を考えると駅から近いことも重要ですし、バストイレも外せません。夏や冬のことを考えたら、エアコンも欲しいですし、車があれば駐車場も欲しいです。ペットを飼っている人は、ペットが飼うことができることも必須です。

では、快適な生活を送るために最も重要な、絶対外せない条件は何なのでしょうか?

駐車場は別に借りれば良いですし、バストイレも銭湯や共同のものを使うのも趣があって…なんて思えるかもしれませんし、エアコンは買い足せますが、騒音からは逃げられません。唯一のプライベート空間で、日頃の疲れを癒し快適な暮らしを送るためには、静かなことが最も大事な条件ではないでしょうか。(322文字)

上の青文字部分が「エアコン」に関連して追加した部分です。この追加により、37文字増えて322文字となり、目標の300文字~400文字の間に収まりました。このように、現在ある具体例と同様の特徴を持つ具体例を追加すれば、文章のストーリーや主張をまったく変えず、文章量を増やせます

B不動産の誘導文

B不動産の誘導文の原案は、現在467文字もあるので、具体例を削って文字数を減らす必要があります。減らす際に、話の流れに関わる部分を削ってしまうと困るので、まずB不動産のあらすじを確認しましょう

起:1、2年で引越しを繰り返し、様々な街での暮らしを楽しむ人が増えている

承:便利なサービスの登場で引越しも楽だし、更新料を考えると損でもない

転:様々な街を楽しむなら、物件は最低限の条件を満たせばよいのではないか

結:騒音さえなければ問題ない

あらすじを確認したら、今度はあらすじと作成した原案を見比べ、あらすじに関係ない具体例を洗い出します。

実は最近、1、2年で引越しを繰り返し、様々な街で暮らすことを楽しむ人が増えているのを知っていますか?

かつては、1度住むと数年は住み続ける人が多かったのですが、様々なサービスの登場で引越しも楽に出来、更新料を考えると、敷金礼金の無い物件に引っ越せば、得な場合もあるのです。だから、駅や街を見て、気に入ったらあまり部屋の条件にはこだわらず、気楽に引っ越してみる、そんな人が増えているのかもしれません。
しかし、最低限おさえておかないと後悔する条件もあるので注意が必要です。

Yahoo!知恵袋に絶対に譲れないお部屋探しの条件という質問があり、その回答を見てみると①駐車場があること、ペットを飼えること、バストイレがあることなど様々な条件がありましたが、その中で1番は、騒音でした。②駐車場は別に借りれば良いですし、ペットに関しては飼っていない人には関係ありませんし、バストイレも銭湯や共同のものを使うのも趣があって…なんて思えるかもしれませんが、騒音からは逃げられません。騒音は日々の生活で大きなストレスになるので、それだけはおさえてきましょう。騒音は日々の生活で大きなストレスになるので、それだけはおさえてきましょう。(467文字)

青文字部分が、あらすじに関係のない具体例です。400文字以内に収めるには、最低でも67文字以上削らなければなりません。文字数を考えると、削るのは①「駐車場があること、~ありましたが」と、①の内容に対応している②「駐車場は別に借りれば~かもしれませんが」の部分となります。

②の文字数は81文字あるので、こちらを削除すれば目標の文字数に収まりますが、2つが対応した文章であり、また執筆の最後に見出しを足すので、その余裕を作るためにも両方削除します。

実は最近、1、2年で引越しを繰り返し、様々な街で暮らすことを楽しむ人が増えているのを知っていますか?

かつては、1度住むと数年は住み続ける人が多かったのですが、様々なサービスの登場で引越しも楽に出来、更新料を考えると、敷金礼金の無い物件に引っ越せば、得な場合もあるのです。だから、駅や街を見て、気に入ったらあまり部屋の条件にはこだわらず、気楽に引っ越してみる、そんな人が増えているかもしれません。

しかし、最低限おさえておかないと後悔する条件もあるので注意が必要です。

Yahoo!知恵袋に絶対に譲れないお部屋探しの条件という質問があり、その回答を見てみると、その中で1番は騒音でした。騒音は日々の生活で大きなストレスになるので、それだけはおさえておきましょう。(328文字)

①「駐車場があること、~ありましたが」と、①の内容に対応する②「駐車場は別に借りれば~かもしれませんが」を削除しました。また、①直後では具体例を1つずつ挙げていたため「、」を入れて読みやすくしていましたが、具体例を削除すると句読点が多く読みにくくなってしまうため、「その中で1番は、騒音でした。」の「、」もあわせて削除しました。また、②に対応していた「騒音からは逃げられません。」も不要になるため削除しています。

以上の具体例を削る作業によって、文字数は139文字減って328文字となり、目標の300文字~400文字の間に収まりました。また、具体例を削っただけなので、あらすじと見比べるとわかるように、文章の柱となるストーリーや主張はまったく変わっていません

文章量は具体例や引用文で調整する

文章量の調整では、あらすじの一部を削ったり追加したりして、話の流れをいじってはいけません。流れに影響しない具体例や引用文の追加や削除によって調整を行いましょう。