省くべき「ムダ」要素
ムダを省き文章の完成度を高める作業は、あなたが選んだキャラクターに合わせて行うように注意してください。
ターゲットに親近感を与えるためブログ形式のWebサイトを作成し、ターゲットに近いキャラクターを設定している場合、文章が洗練させたことで親近感を持ってもらえなくなり、成果が下がってしまうこともあります。ここでは、編集作業のステップの1つとして紹介しますが、状況に応じて作業を行ってください。
指示代名詞
これ、それ、これら、それら、この、その、前述の、後述の
文章中に指示代名詞があると、理解しにくいだけでなく、素人っぽくなってしまいます。また、できるだけ具体的なキーワードを利用したほうが、SEO対策も強化されるので、指示代名詞はできるだけ使わないようにしましょう。ただし、完全に省こうとすると文章がしつこくなってしまうので、対応はほどほどで構いません。
流れでわかる接続詞
順接:すると、そして
並列:および、また
説明・補足:ちなみに、たとえば
転換:さて、では
文章の書き方を解説する多くの書籍を見ると、流れでわかる接続詞は、文章の位置関係を整理して、バッサリ削除してしまうように書いてあります。しかし、私はある程度残した方が関係性がより明確になるだけでなく、接続詞をうまく利用すれば強調や区切りを作れるので、文章が読みやすくなると思っています。あまり無理してすべて削除しようとするより、文章全体の流れを重視しましょう。
冗長表現
ことができる、ものである、ている、こと、もの
同一語の重複(例:まず最初に、1番最初に)
冗長表現は、文章の印象を稚拙にし、回りくどい印象を与えるので、できるだけなくしましょう。ただ、あくまで目的は利用者に読みやすく、印象の良い文章を作成することなので、すべて削除する必要はありません。
実践:文章のムダを省く
A不動産の誘導文
「指示代名詞」「流れでわかる接続詞」「冗長表現」の3点を意識して、A不動産の文章を見ていきましょう。以下は「ムダ」を青字にしたものです。
では、快適に一人暮らしができる最も重要な、絶対外せないお部屋探しの条件は何なのでしょうか?それは「静か」に一人暮らしすることができることではないでしょうか。
駐車場やエアコンなら、自分で用意できます。バスやトイレなら銭湯や共同のものを使えますし、一人暮らしの趣を感じる人もいるでしょう。しかし、騒音からは逃げられませんし趣を感じる人もいないでしょう。唯一のプライベート空間で、日頃の疲れを癒し快適に一人暮らしをするためには、「静か」なことが部屋探しの最も大事な条件ではないでしょうか。(396 文字)
青字で示した「ムダ」を省いたのが以下の文章です。
毎日の通勤や通学を考えると駅から近いことも重要ですし、部屋にバスやトイレも必要です。夏や冬を考えたら、エアコンも欲しいですし、車があれば駐車場も欲しいです。ペットを飼っている人は、ペットが飼えることも必須です。
では、快適な一人暮らしに、絶対外せないお部屋探しの条件は何でしょうか?
一人暮らしで最も大事なのは、「静かさ」ではないでしょうか。
駐車場やエアコンなら、自分で用意できます。バスやトイレなら銭湯や共同のものを使えますし、一人暮らしの趣を感じる人もいるでしょう。しかし、騒音からは逃げられませんし趣を感じる人もいないでしょう。唯一のプライベート空間で、日頃の疲れを癒し快適に一人暮らしをするには、「静かさ」が部屋探しの最も大事な条件ではないでしょうか。(360文字)
冗長表現を中心に指示代名詞を削除し、文脈がつながるように文章を調整した結果、もとの文章から36文字減りました。ただし、すべてのムダを省こうとすると、文章が固くなりすぎたり、しつこくなったりするので、文頭の接続詞「では」は削除せずに残しているほか、「こと」「その」「もの」などの指示代名詞も適度に残しています。削除する程度は、目的に応じて臨機応変に調整してください。
B不動産の誘導文
A不動産の誘導文と同様に、B不動産の誘導文でも削除できるムダをチェックし、必要に応じて削除します。青字の部分が修正を加えた部分です。
かつては、引越の手間やコストから、一人暮らしでも1度住むと数年は住み続ける人が大半でした。しかし、様々なサービスの登場で引越しも楽になり、敷金礼金が無い部屋も多くなったので、荷物も少ない一人暮らしなら引っ越した方が得な場合もあります。だから、駅や街を重視して探し、気に入ったらあまり部屋の条件にはこだわらず、気楽に引っ越す人が増えているのかもしれません。
しかし、最低限おさえておかないと後悔する条件もあるので、街を重視して一人暮らしの部屋探しをする際にも注意が必要です。
Yahoo!知恵袋の絶対に譲れないお部屋探しの条件の1番は、「騒音」でした。「騒音」は日々の生活で大きなストレスになるので、快適な一人暮らしのために必ずおさえてきましょう。(371文字)
こちらは指示代名詞と接続詞を削除し、それに伴い文章を調整しました。
どちらの誘導文もYahoo!知恵袋の情報を利用し作成しただけの文章ですが、それぞれ以下の広告文を続ければ、しっかりと役割を果たせる誘導文になっています。
人気条件を満たしたA不動産の物件から、特に「騒音」の心配のない物件を集めた特集をご覧ください。
様々な環境を楽しめる多くの特徴ある物件を扱うB不動産の物件の中で、「騒音」の心配のない物件を集めた特集を、是非ご覧ください。
すべての「ムダ」を省く必要はない
代表的なムダは「指示代名詞」「接続詞」「冗長表現」の3種類です。ただし、ムダは設定したキャラクターや文章の全体感に合わせて、ある程度残しても構いません。