キーワードとアクション率

検索エンジン対策で大切になるキーワードですが、キーワードを選択する際には、検索件数だけでなく、「アクション率」も考える必要があります。

アクションにつながらないキーワード

キーワードは、タイプによってアクションにつながらない場合があります。アクションにつながらないのは、こちらの目的とは異なる目的で利用されたキーワードです。例えば、こちらは購入や問い合わせを目的としているのに、言葉の意味や関連情報を集めている人が多く来ても目的通りには動いてくれません。SEO対策を始めたばかりの人がつまずく代表例が、以下の2つのタイプです。

調べもの系:純粋に言葉の意味や情報収集を目的とするキーワード

一単語系:目的が漠然としていて、何をしたいか判断できないキーワード

「調べもの系」は、「デジカメとは」「SEO対策とは」など「○○とは」に代表される、純粋に言葉の意味を調べているだけのタイプです。調べもの系のキーワードは、検索件数が多い割にライバルがあまり強くない場合も多く、対策したくなりますが、言葉の意味を確認した時点で目的が達成されるので、こちらの期待するアクションをしてくれる確率は低くなります。

同様に「デジカメ」「SEO対策」などの「一単語系」のキーワードは、検索件数が多くても何を目的としているかわかりません。「デジカメ」という言葉の意味を知りたいのか、「デジカメ」の画像がほしいのか、「デジカメ」の新製品を調べたいのか…。また、このようなキーワードは上位に大手企業が並び、対策するのも大変なキーワードとなりがちなので、競合の面からも避けたほうが良いキーワードです。

アクションにつながるキーワード

アクションにつながるのは、つながらないキーワードとは反対に、ニーズを含むキーワードです。アクションにつながるキーワードの代表例は、以下の4タイプです。

エリア系:「美容室 代官山」「レストラン 渋谷」など場所を限定するキーワード

お悩み系:「ダイエット 方法」「転職 仕方」など解決方法を含むキーワード

購入系:「デジカメ 激安」「SEO対策 相場」など購入意思を含むキーワード

緊急系:「デジカメ 修理」「名刺 即日」など緊急性を含むキーワード

上記のように、アクションにつながるキーワードは、キーワードを見ると、それを検索した人が何を目的としていたかが明確であり、購入や問い合わせにつながるニーズが含まれています。

また、アクションにつながるキーワードは、単一キーワードに何かしら動機を表すキーワードがセットになっています。つまり、検索件数と将来性から選択したテーマとなるキーワードに、何かしら動機を表すキーワードを付加し、アクションにつながるキーワードにすれば良いのです。

キーワードの包含関係

包含関係が検索件数を増やす!?

キーワードの選択時にもう1つ知っておきたいのが、キーワードの「包含関係」です。キーワード選択で、この包含関係の概念を知らずに失敗している方を多く見かけます。

まず、以下の「デジタル一眼レフカメラ」の呼称とGoogleにおける月間の検索件数の関係を見て、どのキーワードを強化するか考えてください。その際、アクション率のことは気にしないで構いません。

検索件数を見て「一眼レフカメラ」か「デジタル一眼レフ」のどちらにしようか迷ったと思います。しかし、選ぶべきは「デジタル一眼レフカメラ」です。

理由は、「デジタル一眼レフカメラ」の中には、上の表の中の「デジイチ」と「デジ一」以外キーワードがすべて含まれているからです。その上、「デジ」と「一」に分かれてはいますが、「デジ一」も含まれています。つまり、「デジタル一眼レフカメラ」を選択すれば、「デジイチ」以外の検索件数、42,180件/月の検索を狙えるので、「一眼レフカメラ」を選んだ場合と比べ、2~3倍近くの検索件数を狙えるのです

「デジタル一眼レフカメラ」には、「デジイチ」以外のすべてのキーワードが含まれています。

キーワードの占有率に注意

キーワードの包含関係を知ると、今度は非常に長いキーワードを選ぶ方がいますが、キーワードには「占有率」という概念もあるので注意が必要です。

例えば「一眼レフカメラ」というキーワードを対策したいとき、「一眼レフカメラ」というキーワードを用いれば占有率は100%、「デジタル一眼レフカメラ」を用いれば11文字中7文字で占有率は64%になります。占有率が低いと、対象のキーワードに対するSEO対策の効果は弱まるので、包含関係を気にしてあまりに長いキーワードを選んでしまうと、含まれるすべてのキーワードの対策が弱まり、かえって成果が上がらなくなってしまいます。

実践:アクションにつながるキーワードを作る

一単語系の「一人暮らし」にニーズを表すキーワードを加え、アクションにつながるキーワードにしましょう。

①キーワードプランナーで「新しいキーワードと広告グループの候補を検索」画面を開き、入力フォームに<一人暮らし>を入力します。<キーワードオプション>をクリックし、「入力した語句を含む候補のみを表示」をオンにしたら、<候補を取得>をクリックします。

 

②結果が表示されたら、右上に表示される<ダウンロード>をクリックし、キーワード候補をCSVファイルで取得します。

取得したCSVファイル「Avg. monthly searches」のD列を降順に並べ替え、検索件数が多い順に見ると、12番目に「一人暮らし 部屋」が出てきます。これはGoogleトレンドの関連キーワードにも表示されており、不動産屋への誘導コンテンツも作成しやすそうなので、対策キーワードとして良さそうです。ただ、ニーズを含むキーワードがないので、包含関係を考慮して「不動産 部屋」を含むキーワードを探すと、「一人暮らし 部屋探し」(検索件数は880件/月)が見つかります。これには「一人暮らし」も「一人暮らし 部屋」も含まれるので、「一人暮らし 部屋探し」を対策キーワードとしましょう

キーワード選択はアクション率と包含関係に注意

キーワードをうわべの検索件数だけで決めると、期待の成果は上がりません。検索件数で絞り込んだら、アクション率と包含関係を考えてキーワードを決定しましょう。

非常に大切!キーワードの表記

検索エンジンはさまざまなキーワードごとに、世界中のWebサイトの順位を決めており、利用者がキーワードを入力すると、その順位にもとづいた結果を表示します。検索結果の表示は「キーワード」ごとの順位にもとづくので、対策するには検索件数の多い「キーワード」を選択し、しっかりとコンテンツに反映する必要があります。

表記の違いと検索件数

日本語には、平仮名や片仮名、そして漢字があり、送り仮名に関しては複数の表記が許されているものもあります。

例えば、不動産屋のWebサイトでは、「一戸建」と「一戸建て」のどちらのキーワードを強化すべきでしょうか。まず検索件数は、P.45で触れた通り「一戸建て」のほうが47倍近くも検索されています。また、Googleの検索結果を確認すると、検索結果に表示されるサイト数は、54倍ほどの差があります。つまり、Googleは表記の違う単語を別の単語と判断し、利用者に検索結果を提供しているため、「一戸建て」を強化すれば「一戸建」の47倍近い人々にアクセスできる可能性があるといえます。

「一戸建て」「一戸建」それぞれの、Googleにおける検索結果に表示されるサイト数です。ほとんど変わらないキーワードですが、Googleが順位をつけているサイトの数は約54倍もの差があります。