大企業にも負けない情報収集ができる
「オリジナリティのあるコンテンツ」を作成するためには、独自の理論を立てたり、ほかにない情報を手に入れたりする必要があります。しかし独自の理論は一朝一夕には立てられませんし、ほかにない情報を手に入れるには大きなコストがかかるため、個人ではなかなかできません。それでは、これからのWebの世界で成功できるのは、一握りの選ばれた人間や大企業だけなのでしょうか。
そんなことはありません。Webで公開されている便利なツールを使えば、Webにある膨大な情報の中から多くの人が話題にしており、長くニーズが見込まれるテーマを簡単に選ぶことができます。コストをかけずに、効率的に情報を収集する方法が身につけば、「オリジナリティの高いコンテンツ」を簡単に作成できるようになります。
デジタルならではの大幅な効率化ができる
Webコンテンツがデジタルデータからできていることを生かし、さまざまな作業を効率化してくれる無料ツールも、解説を行う中で紹介していきます。誤字や脱字、誤用などをチェックできるツール、コンテンツ中のキーワード出現率を計測するツール、競合のチェックや検索順位の一括チェックツールなど、Webコンテンツの作成やWebサイトの管理を効率化してくれる無料ツールで、より効率的で精度の高い作業を実現できます。
イメージではなく数値で確認できる
学生時代、経済学部のマーケティング論で、セブンイレブンの躍進の影にPOSシステムがあることを聞き、そのコストと労力を想像して遠い世界の話と受け止めていました。しかしWebの世界では、それ以上に詳細で正確なデータを、個人でもコストをかけず簡単に手に入れることができます。本書では、Webコンテンツの作成や運営時に役立つデータを取得し分析する方法を、無料ツールとともに紹介します。
Webは、便利な無料ツールの宝庫
プロは無料ツールを上手に活用し、コストをかけずに質の高い作業を行います。便利な無料ツールを知り、活用できるようになれば、作業の質と効率が上がります。
検索エンジンの理想郷にSEO対策は存在しない!?
検索エンジンは、誕生からずっと利用者が求めている情報を、より早くより正確に提供するシステムの構築に腐心し、一方でWeb関係者は、サイトが検索結果の上位に表示されるよう、検索エンジンのシステムを分析し、対策してきました。
検索エンジンが登場したばかりの技術がまだまだ未熟だった頃、両者の関係はWeb関係者に有利で、多く存在するシステムの穴をつき、検索エンジンの意図に沿わないWebサイトさえも検索結果の上位に表示させてきました。しかし、検索エンジンの技術は日々進歩し、不正行為は高い精度で見抜かれ、検索結果には適切に、「価値」が反映されるようになってきています。
検索エンジンの理想と現状
ではこの先の世界はどのようなものになるでしょうか。検索エンジンはあくまで、「利用者にとって価値のある情報を適切に提示したい」だけです。つまり、Webサイトの構造が素晴らしいとか、コードが正しいとか、最新の技術使われているとか、それ自体は検索エンジンにとってどうでも良いことなのです。
しかし現時点では、サーバの情報処理速度やインターネットの回線速度の制約により、作りが悪ければWebコンテンツが表示されるまでに時間がかかり、利用者にストレスを与えることもあります。また、構造がおかしかったりコードが正しくなければ、検索エンジンも正確に内容を把握できず、適切な評価ができません。
来たるべき検索エンジンの理想郷
将来、IT技術やインフラの進歩により処理速度や回線速度が向上し、表示速度によるストレスの問題が解消されるときが来るでしょう。また、検索エンジンの技術が向上すればおかしな構造、滅茶苦茶なコードでも正確に情報を収集できるようになるでしょう。検索エンジンは、より正確に、そして外部の人間に操作されない強い評価基準で、Webサイトを適切に評価することを目指しています。その「検索エンジンの理想郷」で残る評価対象は、コンテンツの価値、つまり「オリジナリティ」だけになるでしょう。しかし、これは、まだ少し先の話です…。